東海北陸シーリング印刷協同組合
第13回技術研修会「これからのシール印刷」

パネルディスカッション「楽しみながらIT活用」

                                主催 東海北陸シーリング印刷協同組合青年部
                                協力 全日本シール印刷青年部協議会(JS)

メインパネラー 高田 朋幸 全日本シール印刷協同組合連合会 理事
コーディネーター 松浦  保 全日本シール印刷青年部協議会 会長
パネラー兼案内 小島 正裕 東海北陸シーリング印刷協同組合青年部 部長
パネラー 松山 良介 北海道シ−ル印刷協同組合青年部 副部長
伊藤 浩敬 東京都正札シール印刷協同組合青年部 部長
高橋 邦浩 東京都ラベル印刷協同組合青年部 部長
松村 高吉 神奈川県シール印刷協同組合青年部 部長
山田 裕彦 京都シール印刷工業協同組合青年部 部長
大平 康二 九州シール印刷協同組合青年部 部長

                                                       (敬称略)

10月14日(土)、名古屋市内の名古屋中小企業振興会館・吹上ホールにおいて「これからのシール印刷」をテーマに東海北陸シーリング印刷協同組合の第13回技術研修会が開催されました。
第1部はAM10:00より青年部主催、JS協力の下パネルディスカッション「楽しみながらIT活用」が行われました。

メインパネラーは当協組の理事でもある(株)タック印刷の高田朋幸氏・全日本シール印刷協同組合連合会理事が、コーディネーターとして全日本シール印刷青年部協議会(JS)会長の松浦保氏、パネラー兼案内役として東海北陸シーリング印刷協同組合青年部・部長の小島正裕氏、パネラーに全国各協組の青年部の部長さん達がそれぞれ招かれました。

現在、シール印刷業界においてもIT革命、活用が叫ばれるようになり、各企業のインターネット等のデジタル面における関心が高まって来ております。
しかしながらアナログ時代を駆け抜けてきた世代の方々にとってはIT=情報技術と言いますと、インターネット、eメール、iモード、パソコンを連想してしまい、未だになかなか取り付き難い代物である様です。

会場にいらした恩田製作所の恩田専務が意見を求められた際、こんな事を言っておられました。
「今やデスクワークのみならず、家庭環境においてもデジタルの波が押し寄せており、誠に息苦しさを感じずにはいられなくなってきました。
私は女房子供がインターネットに染まっても、自分だけは最後の砦として、頑として受け入れないつもりでおりますが、そろそろ限界に近づいて来たかな、と思っております。」

このように皆さんどうしてもIT=インターネット、パソコンと考えてしまいがちの様ですが、高田氏のお話によると、インターネットやパソコンは情報伝達の一手段であり、今では当たり前に使っている電話やFAXなども情報伝達の手段であり、=ITなのであるそうです。

「楽しみながらIT活用」という事なのでITを楽しむと言う面ではどうでしょうか?
これについては私にフラれたのですが、現在当青年部では「青年部のネットワーク化」を掲げ、部員全員にインターネットの出来る環境の整備とメールアドレスの取得をして頂きました。
青年部のホームページを立ち上げ、掲示板を公式と非公式の2種類を立ち上げ、メールのやり取りで部員相互のコミュニケーションを普段から出来るような環境整備も致しました。

しかし、現在これらを利用している方は約半数であり、その方々ですらメールを出してもすぐにレスがくる状況にある訳ではありません。
メールと掲示板によって毎月の部会の連絡や伝達事項を配信しても、「見ていなかった」という言葉を聞くと、どうも無理矢理青年部にインターネットをやらされているという意識があって、普段からインターネットを楽しんでいないのではないかと感じずにはいられません。

私もインターネットを始めた当初は同じ様に感じていましたが、自社でホームページを開設し、自分の趣味のコーナーを設け、それを見た方から「面白かったよ」と言われた時に初めて「楽しい」と感じる事が出来ました。
部員の皆さんにもネットをするこの「楽しさ」を伝えない事には真の意味での「青年部のネット化」は実現しないのではないかと再認識致しました。

ITを活用すると言う事を、仕事が取れる様になる、お金に結びつくものと考えてしまうと、それを実現させるのがなかなか難しい事に気付きます。
しかしながら、お客さんからのMOによるデータ入稿やメールで送るからアドレスを教えて欲しいなどと言う事例が増えていく現状を考えると、これからのシール印刷における通信手段としてのインターネットの必要性を感じずにはいられません。
行く行くはインターネットを使った電子取り引きなどもする様になっていくでしょうが、現段階ではITと言う物を商売道具として考えるよりも、通信手段、情報収集の手段として考えるのが妥当ではないかと思います。
今のシール印刷業界おけるITとは人と人を繋ぐ通信、情報伝達の一手段として捉えた方が良いのではないかと感じています。

松浦氏は「人の知識と人の設備で仕事をする。」と称し、現在立ち上がっている業界関連のメーリングリストを使って、情報収集や外注の発注、はたまた売りに出す自社の機械の引き取り先の募集までやった実績があります。
松浦氏曰く「全国の会社の設備で仕事が出来る訳ですから、恐い物なんて無いじゃないですか。」という言葉から、今ITを有効に、上手に活用する一例がここにあると言えます。
「朝、駅ですれ違った人でも、今この場でお知り合いになれば、次は駅で会った時に挨拶が出来る。こういう人と人との初歩的な繋がりがあって初めてITというものが生きてくる。」と言う様に人と人との繋がりというアナログなものがITというデジタルなものにおいても非常に重要になってくるのです。
松浦氏が言った「アナログこそ究極のデジタルである」という言葉に、これらの事が全て集約されているのではないかと思います。

ディスカッションの会場で誰1人として席を立つ事無く、また居眠りもせずに食い入るように聞いていた様子を見て、会場にいた皆さんも同じ思いを抱いていたと確信しております。
これからのITの活用方法は人それぞれ違ってくるでしょうが、根底にあるものは人と人との繋がりを大事にしていくことではないでしょうか?
   

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