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正札シール組合行政等からのお知らせ【経産省】「印刷産業の取引環境実態調査」に関する報告書を公表
「印刷産業の取引環境実態調査」に関する報告書を公表【経産省】
 
 
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 経済産業省はこのほど、「印刷産業における取引環境実態調査」に関する報告書を公表した。同報告書はアンケート及びヒアリングで印刷企業の実態を明らかにしたうえ、「印刷産業の持続可能な発展に向けた検討会」での議論をまとめたもの。
 報告書によると、アンケートは2019年末に日本印刷産業連合会所属10団体の会員企業に行い、964社から回答を得た。その結果、印刷需要は減少し、設備稼働率も悪化傾向にある、供給過剰もあり受注単価は下落し、営業利益率が低下している、など厳しい経営環境が明らかになった。単価の下落はネット印刷の増加や官公需価格に、効率低下は小ロット化の進行に、一因があるという。
 また、売上を獲得するための営業機能を十分に持てていない、収益管理を十分に行えていない、などの課題も浮き彫りになった。さらに、高齢化による事業承継問題では、2割程の事業者がメドが立っていないことが判明。特に従業員3人以下の経営体では3割弱が、5年後の事業継続は難しい、とアンケートに回答していることが明らかになっている。
 その一方、事業領域を広げることで収益が安定している事業者も見られた。フルフィルメントの提供や、デザイナーとのコラボレーションなどに取り組んでいる企業だという。
 こうした実態調査を踏まえ2020年3月、印刷産業底上げの方向性について議論を行うため「印刷産業の持続可能な発展に向けた検討会」を開催。各種印刷業界の関係者及び学識経験者が参加した検討会では、右肩下がりの市場環境の中、需要を増やし、価格競争から脱却するために「地域の異業種も含めた様々な企業が連携するコミュニティを作り、得意領域を組合わせ、印刷の枠を越えて地域として新しい価値を創出する」ことを指摘。そのための取り組みでは「個々の印刷企業の得意分野の把握」「稼働情報データの連携」「印刷業界全体でデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めることでの生産性向上」「各企業の付加価値創出への専念」などがあげられている。
 
 なお、同報報告書(112P)は全文を経済産業省のWEBページで見ることができる。